変幻自在な「磁性流体」が体内を駆け巡る!

磁性流体ロボットは分裂、結合することで1センチから数マイクロメートルのサイズまで変形することができるらしい。以下の動画が示すとおり、従来の小型ロボットにできなかった複雑な操作が可能になり、形を変えながら迷路を変幻自在に移動していく様は、まるで生き物のようだ。

薬剤を必要な箇所に直接届けたり、血栓を除去したりと、体内の小さな隙間を行き来できるロボットの開発は医療に限らず、今後も様々な分野に応用が期待できる。


クラゲを参考にした触手ロボ、ハーバード大が開発 くねくね動いて物体を持ち上げる

発表された「Tentacle robot(触手ロボット)」は、長い紐状のアームを使って物をつかみます。ゲームセンターに設置されたクレーンゲームのような動きで、物体を持ち上げます。アームからのびる触手がターゲットに絡みつく様子は、まるでタコが獲物を捕らえるようにも見えます。

触手はゴムチューブのように中が空洞で、加圧することで曲がりくねる仕組み。シンプルな動きで物体を包み込み、複雑なプログラムを必要としない設計です。

肩に寄生するヘビ型ロボット 多関節を遠隔から操作 早稲田大などが技術開発

今回は蛇のような構造を持ち、多関節による高い自由度を有するウェアラブル・テレプレゼンスロボット「Piton」を提案し、この課題に挑戦する。

 ロボットの重量は0.98kg、全長は53cm、バックパックラックなどを含めると総重量約2.54kgとなる。ロボットの構造は、アルミを骨組みに8個のサーボモーターを連結させて8自由度の動きを設計する。先端部にはカメラ2台、スピーカー、マイクなどを装備する。

ロボットは、ユーザーが背負った機械部から肩の上を飛び出るように設置する。遠隔にいるユーザーには、ロボット周辺の音、カメラ2台からの立体映像が提供され、VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を通じて、遠隔にいながら現地の視覚・聴覚情報が得られる。

学生のアイデアを実体化――水中のマイクロプラスチックを回収する魚型ロボット「Gillbert」

Mackintosh氏のアイデアは、泳ぎながら水中のマイクロプラスチックを回収するロボット。まず、エラを閉じて口を開き、体内を水で満たす。その後、口を閉じてエラを開き、体内を圧縮してエラから水を排出する。エラとエラの間には、細かなメッシュフィルターがあるので、メッシュ径より大きなマイクロプラスチックが魚の体内に残るという仕組みだ。

試作品は体長約50cmで、口やエラ以外に胸ビレや尾ビレもあり、それぞれモーターで駆動する。また、バッテリーやマイコンのほか、光センサーや濁りセンサーも搭載し、暗闇では青く光る。エラのメッシュ径は2mmとした。


全長5mの蛇型ロボット開発企業、インフラ点検の市場展開へ一手

ハイボット(東京都品川区、ミケレ・グアラニエリ社長)は、インフラ設備点検用ロボットの市場展開などに関してリックスと覚書(MOU)を結んだ。ハイボットの最先端のロボット技術と、メーカー機能を持つ商社であるリックスの知見を掛け合わせ、非破壊検査市場での協業の可能性を検討。工場やプラント設備の保安・防災分野への貢献を目指す。ハイボットは全長5メートルのヘビ型ロボット「フロートアーム=写真」をはじめとした多関節インフラ設備点検用ロボットや航空機点検用ロボットのほか、収集したデータを格納・分析するためのソフトウエアプラットフォーム(基盤)「ハイボックス」を開発、提供している。 

アンモナイトのロボット、なぜ製作? 研究者が“泳がせる”ことに成功

アンモナイトは恐竜よりも前から地球に生息し、恐竜と同時期にも生息していた海洋動物だ。硬いコイル状の殻は、水中での自由な移動に制限を与えたはずだが、アンモナイトは進化を遂げながら何億年も存続し、あらゆる大量絶滅を生き延びてきた。このような特性から、アンモナイトは進化的バイオメカニクスを解き明かす格好の材料となると考えられる。太古の時代にはアンモナイトのように殻を持つ頭足類はどこにでもいたが、現在はタコやイカのように殻を持たない生物が主流で、外殻を持つのはオウムガイだけである。そのため、動きを研究するにはロボットを作って、アンモナイトを太古から呼び戻す必要があった。

蜘蛛の死体をマジックハンドにしちゃう。生き物をロボットとして活用する「ネクロボティクス」

脚を動かす水圧は蜘蛛の頭胸部から送られ、8本の脚は、脚の組織にある管を開閉することで個別の動きをします。で、Preston氏とYapさんの研究チームは、蜘蛛の死体を壊さないよう細心の注意をもって注射器を頭胸部に挿入し、注射器から空気を送ることで、蜘蛛体内の水圧を再現して脚を広げて、超自然なマジックハンドを作ることに成功しました。チームが研究で使ったのは、主にコモリグモ。死後マジックハンド化された蜘蛛は、開閉約1000回ほど活用でき、持ち上げられる重量は自重の130%ほど。コモリグモにかかわらず、どんな蜘蛛をマジックハンド化してもいいのですが、大きい蜘蛛なら重いものを持ち上げられるというわけではないのだそう。


進化中!「筋肉」で動くマイクロロボット

シート状に培養した心筋細胞で動かす「マイクロポンプ」でした。もともと心臓はポンプですから、これはストレートな応用と言えるでしょう。それに成功した後、准教授として移った東京農工大学では、いよいよ筋細胞で歩くマイクロロボットの開発に取り組みました。

そのフレーム(骨格)はシリコーン樹脂で、ちょうどアリくらいの長さ(約5ミリメートル)です。電車のパンタグラフに似た構造をしており、バネのように縮んだり伸びたりできます。4本の脚もついたこのフレームの真ん中に、筋細胞が巻きつけられています。写真を見ると、輪ゴムを引っかけたような感じです。

ノミより小さい「カニ・ロボット」を開発:ノースウェスタン大学

熱を加えると、記憶した形に変形する形状記憶合金材料を使用。

ロボットは、変形した形から記憶された形、そしてまた元の形に戻るというように、ある段階から別の段階へと変化することで、運動機能を発揮するそうだ。

さらに研究者がレーザーをロボットに照射(スキャン・走査)。すると狙った場所が高速で加熱され、冷却すると、ガラスの薄い膜がその部分の形状を弾力的に元へ戻し、動くことになるという。

しかもこのように遠隔操作で動かすだけでなく、レーザーの走査方向がロボットの歩く方向を決定することもできるとか。例えば、左から右へスキャンすると、ロボットは右から左へ移動するそうだ。

この研究を主導したジョン・A・ロジャーズ氏は「これらの構造体は非常に小さいため、冷却速度が非常に速いのです。実際、これらのロボットのサイズを小さくすることで、より高速に動作させることができます」と語っている。

「夏の夜に光るホタル」をヒントに発光しながら空を飛ぶ極小ロボットが開発される

ホタルのお尻には発光器官が備わっており、ホタルルシフェリンという物質がホタルルシフェラーゼという酵素によって酸化されることで黄色に化学発光します。ホタルは成虫が生殖的アピールとして発光を行うほか、幼虫にも発光器官が備わっており、捕食者への警戒を促す意味で発光するとされています。

MITの電気工学およびコンピューターサイエンス学科のケビン・チェン助教はこれまでに、エラストマーとカーボンナノチューブ電極の極薄層を交互に巻き付けたアクチュエーターで翼を動かし、空を飛ぶマイクロロボットを開発していました。チェン助教はホタルの発光する様子から、このマイクロロボットのアクチュエーターに、電気が流れると発光を示すエレクトロルミネセント硫酸亜鉛粒子を組み込むことを思いついたそうです。


横歩きで大自然に迫る。カニ型ロボットにカメラを仕込み4千万匹の大移動を撮影

クリスマス島を大移動する、4千万匹のクリスマスアカガニを観察するべく、ガニ股で横歩きするカニ型のロボット・カメラを開発しました。

狙うは土の中から現れ、産卵するべく海へ向かうカニたち。途中で共食いされそうになりながら、カニ目線で貴重な記録映像を収めることに成功しました。

鳥の爪型ロボット付ドローン、スイスの研究チームが開発 鉄棒などに高速着地

スイスのEcole Polytechnique Federale de Lausanne(EPFL)の研究チームが開発した「Passive Perching with Energy Storage for Winged Aerial Robots」は、先端に鳥の爪型ロボットハンドが整備された固定翼型ドローンだ。大幅な失速を行わず、鉄棒などにロボットハンドでつかむように着地できる。

この着地を可能にするために、本体の先端に、鷹などの大型鳥の爪をモチーフにした3本型ロボットハンドを開発した。ロボットハンドの質量は170g、大きさは閉じた状態で7×7×24cm、開いた状態で31cmに達する。

体内をナメクジのように進むスライム型ロボット、香港中文大学が開発

香港中文大学の研究チームが開発したこのスライムロボットは、非ニュートン流体なので、固体のようにも液体のようにも振る舞える。これはポリビニルアルコール(PVA)とホウ砂の混合物で出来ているが、非ニュートン流体は家庭でもコーンスターチと水を使って作れる。

 プロジェクトの指導者の1人である香港中文大学機械・自動化工学部のLi Zhang教授によると、非ニュートン流体は、高速で触れると固体の物体のように振る舞うが、優しくゆっくりと触れると液体のように振る舞うという。