磁場を動力源とした、体内で分解する医療用ミリロボット

香港大学の研究チームが、磁場を動力源として遠隔操作できる、磁性ヒドロゲル製のミリロボットを開発した。柔らかく、生分解性のある素材でできており、将来体内で用いる医療用途を想定されている。

柔らかく生分解性のある素材で、磁場を動力源とし、役目を終えたら簡単に溶けてなくなるというミリロボットの概念実証に取り組んだ。まず、ゼラチン溶液に酸化鉄の微粒子を混ぜたヒドロゲルを作製した。ヒドロゲルを永久磁石の上に置くと、溶液中の微粒子はゲルを外側に押し出し、磁場の線に沿って昆虫の爪状の脚構造が形成された。そして、ヒドロゲルを冷やし、硫酸アンモニウムに浸してヒドロゲルを架橋させることで、脚構造をより強固にした。また、硫酸アンモニウムの組成やゲルの厚さ、磁場強度を変えることで、脚構造を制御できることも分かった。

腕前は熟練技術者並み AIロボットでiPS細胞培養―理研

実験ではロボット「まほろ」2台がそれぞれ実験の計画から培養、結果の評価までを担当。AI制御で2本のアームをなめらかに動かしてピペットから試薬を垂らしたり、実験装置を操作したりと複雑な作業を行う。

 iPS細胞からさまざまな組織細胞を作るには、少しずつ条件を変えながら一定期間培養を行って最適な条件や手順を探る必要がある。

 開発段階で行った網膜細胞を作る実験では、一度に48通りの条件でiPS細胞を40日間培養し、結果を基に次の条件を計画する工程を3回実施。その結果、熟練技術者並みの91%を網膜細胞に分化させることに成功した。

手術を“民主化”するナノロボット

ブラッド・ネルソン教授は、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)のマルチスケール・ロボット・ラボ(Multi-Scale Robotics Lab)に所属し、2002年からロボット工学と知能システムの交差点で研究を続けている。ネルソン教授の関心は、ミリメートルからナノメートルサイズの微小な、知的な機械を研究する「マイクロロボティクス」と「ナノロボティクス」にある。

ネルソン教授らは、09年から磁気によって微小なデバイスをコントロールする「磁気ナビゲーションシステム」(MNS)を開発。改良を重ね、軽量化とともに非常に正確な動作を実現した。その正確さは、脳卒中の手術に使われる医療デバイスに結実する。


服に敷いた線路をシュッシュッポッポ 体中を移動する小型ロボット 健康状態をモニタリング

米メリーランド大学(University of Maryland)と米UC San Diego(University of California, San Diego)の研究チームが開発した「Calico: Relocatable On-cloth Wearables with Fast, Reliable, and Precise Locomotion」は、衣服に線路を敷き、その上を移動するロボットシステムだ。全身を移動できる設計で、適切な場所まで移動し健康をモニターしたり、モーションを監視したりに活用できる。

フィットネストラッカーやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスは着用者の健康をモニタリングできるが、着用している場所は1カ所なため理想的な計測は難しい。例えば、上半身の前面や背面から呼吸を計測する方が最適である。

リビングロボットが介護分野に小型ロボ展開、藤田医科大と共同研究

リビングロボット(福島県伊達市)は、同社の多機能小型ロボット「見守りウィーゴ」の介護分野への展開に向けて、藤田医科大学と共同研究・実証実験を行う。企業への開発・実用化支援で実績のある同大学の協力を得て、高齢者をはじめ全世代の日常生活を手助けするロボットを開発。医療施設や介護施設への導入を目指す。

共同研究では、音楽療法を取り入れる。音楽を聞いたり演奏したりする際の生理的・心理的・社会的な効果を応用して、心身の健康回復、向上を図る音楽療法をロボットで提供。音楽に合わせてダンスする機能や、共に演奏などができる機能、ロボットの動きや目の光、効果音などを組み合わせたコンテンツなどを開発し、その効果を検証する。

鉄道業界で初 駅で歩行補助ロボットを使った実証実験

リハビリ訓練用として開発されたものを改良したこのロボットは、重さおよそ2.3キログラムで服を着るように一人でも装着することができモーターの力で股関節の動きをサポートします。

東急電鉄ではホームの段差や隙間を縮小するなどバリアフリー強化に向けた取り組みをしていますがロボットなどのテクノロジーを活用し、利便性を高めていくということです。東急電鉄人事計画課・佐々木崇明主任事務員

「ユニバーサルサービスの進化というところが一番の目標。 より快適な利用をしていただきたいのでどんな方も等しく使いやすい鉄道施設を今後もつくっていきたい」


膝手術支援ロボット導入 岐阜清流病院「正確で安全」 

膝の関節が加齢などで変形し、痛みや腫れが生じる「変形性膝関節症」。岐阜市川部の岐阜清流病院は今春、患者の膝関節を人工関節に置き換える手術支援ロボット「ロザ・ニー」を県内で初めて導入した。

名戸ヶ谷病院(千葉県柏市)関節治療センターは千葉県内で初となる、最新の人工膝関節手術支援ロボット「ROSA Knee(ロザ・ニー)システム」を2021年7月に導入しました。

革新的なテクノロジーを搭載した先進的な手術支援ロボットによって、より正確で安心・安全な人工関節手術の実現、そして健康寿命の延伸を加速させます。

国際宇宙ステーションに「遠隔操作できる手術ロボット」が送り込まれる予定

小型遠隔手術ロボットのMIRAは、ネブラスカ大学リンカーン校の工学教授であるShane Farritor氏の研究チームと医療スタートアップ・Virtual Incisionによって開発されました。

従来の手術ロボットと比較したMIRAの利点の1つが、「局所的な切開部から器具を挿入して、腹部や腸に対する侵襲性が小さい手術が行える」というものです。そしてもう1つの利点が、「外科医が遠隔地からロボットを操作して、医療インフラから隔絶された場所に遠隔手術サービスを提供できる」という点です。

これらの利点は、地球上の医療インフラが整っていない地域に医療サービスを提供する上で役立ちますが、同様に医療サービスが整っていない宇宙船内や月においても有用です。

身体拡張で人間はさらに進化できるのか?

現時点で、身体拡張のイメージがもっとも伝わりやすいプロダクトの1つが、ロボットライドが手がける外骨格ロボット「スケルトニクス」だろう。スケルトニクスは身長約3メートルのエンターテインメントロボットで、モーターなどの動力を使わず、独自のリンク構造によって装着した人の身体動作を人力で拡大し、まるで巨人になったかのようのような体験や演出ができる。装着者の手足の動きがダイレクトに反映され、巨大な体にもかかわらず機敏に動くその様子は、まさにSF映画から飛び出してきたようだ。 


世界基準の除菌ロボットを開発!指定の場所へ無人運転、UV-C除菌「Mover UV-C」大規模施設にも対応 廣瀬無線電機

廣瀬無線電機は、シグニファイジャパンが製造・販売する、紫外線の一種であるUV-C(紫外線C波)照射機能の「フィリップスUV-C除菌トロリー」と、THKが製造・販売する全方位移動台車(自動搬送ロボット)である「SEED-Mover」を組合せ、自律走行型除菌ロボット「Mover UV-C」を開発した。

シグニファイ社は旧フィリップス ライティング ジャパン合同会社 照明機器事業部。

高齢者の身体機能維持をAIで楽しく支える 「歩きたくなる」トレーニングロボット

「ウォーク・トレーニング・ロボ」は、使用前に利用者がタッチパネル画面の一覧から名前を選択するか、IDカードをかざしてログインするだけで、その人に合った最適なハンドルの高さや運動負荷が自動で設定され、すぐに運動を始めることができる。さらに、押して歩くだけで歩行スピードや時間、距離、歩行姿勢(左右のバランスの傾き)が計測・記録され、リアルタイムで画面上に表示されるのも工夫の一つ。利用者のモチベーションアップにつながるよう、歩行中はランダムに軽快な音楽が流れる。

配膳ロボット「KettyBot」を検体搬送の用途で国内初導入 Senxeed Robotics、カラダテラス海老名で稼働

サービスロボットのローカライズとグロース支援を行うSenxeed Robotics株式会社(旧:IGP ROBOTICS株式会社)は、海老名駅前開発プロジェクト「ViNA GARDENS PERCH(ビナガーデンズパーチ)」にて、社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス(JMA)が運営するカラダテラス海老名に、配膳ロボット「KettyBot」を検体搬送ロボットとして、国内で初めて導入した。


複数の自走ロボットとエレベーターを連携、病院内業務の効率化へ   22/12

日本初の「GPS搭載」多機能ロボット車いす誕生 1回充電で28km走行、軽量化も実現   22/12

世界初の国産ロボットhinotoriサージカルロボットシステムを用いた子宮体癌手術を実施   22/12

メドトロニック 外科手術で使用する「Hugo™️ 手術支援ロボットシステム」の販売を開始   22/12

手術支援ロボットを導入、術後満足度の高い人工関節手術を実現  22/12

NTT、100km以上離れた遠隔手術でロボットを操作 IOWNと「hinotori」で大容量/長距離/低遅延/暗号通信を実証  22/11

NVIDIA「医療の新時代を支えるAIとデジタルツイン」の現状を語る AI活用/手術支援ロボット/デジタルツイン/大規模言語モデルと創薬  22/11

国産の手術支援ロボットで大腸がん手術 札幌医大病院で成功  22/11

手術支援ロボット「ヒノトリ」で初の胃がん手術、泌尿器科以外で世界初 藤田医科大が成功  22/11

新薬化合物をロボットが自動合成、大鵬薬品が創薬生産性を高める  22/10

インテュイティブサージカル、日本初*のシングルポート内視鏡手術支援ロボット「ダビンチSPサージカルシステム」の製造販売承認を取得  22/10

最新の手術支援ロボット導入 太田西ノ内病院、操縦席が2台  22/09

人工膝関節手術に支援ロボ導入、患者の痛み軽減 多治見病院、高精度で安全に  22/08

医薬品製造を自動化するロボット、担う重要任務  22/07

人工関節置換手術をより高精度に ロボットアーム導入(秋田県)  22/06

人工知能搭載ロボットによる内視鏡腎結石治療で従来法以上の治療成績を報告-名古屋市立大学  22/06

全過程完全ロボット操作によるクローン豚誕生 中国の科学者が世界初成功  22/06

世界最大級の臨床検査施設 ロボット活用でほぼ無人  22/05

支援ロボットで尿管手術  22/05

診療報酬、ロボット手術で前進も「厳しい改定」  22/05

脳損傷回復ロボ活用 大阪府立大・竹林教授グループ  22/04

廣瀬無線電機 自動除菌ロボット「Mover UV-C」の実証実験をインターナショナルスクールにて実施  22/04

Intuition Roboticsの高齢者ケアコンパニオンロボット「ElliQ」がいよいよ発売開始 22/03

“神の手”に近づく手術支援ロボ実現へ ソニーが感度10倍伝達技術 22/02

Amazon、医療をデジタル変革 診断から病院業務まで  22/02

国産機「ヒノトリ」と先駆け「ダビンチ」、手術支援ロボットの主役はどっちだ! 22/02

ロボットが人間の補助なしでブタの腹腔鏡手術を実施、米ジョンズ・ホプキンス大学研究報告 22/02

ニプロ、リバーフィールドと眼科手術支援ロボットの国内独占販売契約を締結 22/02

ロボット外科医、複雑な手術に(人間の手助けなしで)成功! 22/02

女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚から育てる人工子宮システムを中国が開発 22/02